メルマガが迷惑メールに入る原因|SPF・DKIM・DMARCと確認の順番

メルマガが迷惑メールに入る原因|SPF・DKIM・DMARCの基本と確認手順
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「メルマガを送ったのに、読者から届いていないと言われた」。そんなとき、真っ先にDNSの設定を疑いたくなりますよね。

ただ、迷惑メールフォルダ入りや未達の原因は、認証設定だけとは限りません。

配信リストの状態や送信量が関わっていることも多く、影響範囲から順に確認していけば、設定を推測で触らずに原因を絞り込めます。

目次

メルマガが迷惑メールに入るときは原因を分けて調べる

読者から「届いていない」と連絡があっても、すぐにSPFやDKIMの設定を書き換えるのはおすすめできません。

メールが見当たらない状態には、迷惑メールフォルダへの振り分け、受信側での拒否、配送の遅延、無効な宛先への送信など、いくつもの原因が含まれているからです。

確認は、次の順番で進めると切り分けやすくなります。

  1. 影響を受けた宛先と発生時刻を絞る
  2. 配信サービスのログやエラーを確認する
  3. SPFとDKIMが実際のメールで通過しているか確認する
  4. DMARCのアラインメントとレポートを確認する
  5. 配信許可、配信停止、無効アドレスの扱いを見直す
  6. 迷惑メール率、送信量、送信元の評価を確認する

SPF・DKIM・DMARCは大切な設定ですが、整えれば受信トレイに届くと保証されるものではありません。

Gmailも送信者に対して、認証のほかにDNSの逆引き設定、TLSでの送信、メール形式、迷惑メール率、配信停止のしやすさなど、複数の条件を求めています。

「DNSを設定したから完了」と考えず、技術面と運用面を分けて調べるのがポイントです。少人数の運用でも確認項目を決めておけば、問題が起きるたびに思いつきで設定を変えずに済むでしょう。

SPF・DKIM・DMARCの役割を整理する

3つの認証はどれも送信ドメインの信頼性に関わる仕組みですが、確認している対象はそれぞれ違います。

SPFは送信元、DKIMは署名、DMARCはその2つの結果とFromドメインの関係を見ている、と押さえておくと、どの設定や送信経路を疑えばよいか考えやすくなるはずです。

SPFは送信元を確認する

SPFは、そのドメインからメールを送ってよい送信元をDNSに登録しておく仕組みです。SPFレコードには、ドメインで使っているすべての送信元を含める必要があります。

外部の配信サービスを使っているのにその送信元が含まれていないと、そのサービスから送ったメールは迷惑メールに分類されやすくなってしまいます。

見落としやすいのが、同じ独自ドメインを複数のサービスで使っているケースです。

普段の業務メール、問い合わせフォーム、メルマガ、予約サービスと送信経路が分かれているなら、まず「どのサービスが、どのドメイン名で送っているか」を一覧にしましょう。

SPFの文字列は推測で書き換えず、利用中の配信サービスとDNS事業者の公式手順を照らし合わせて設定するのが基本です。

使わなくなったサービスを外すときも、今動いている送信経路を確認してから整理してください。

DKIMは署名を確認する

DKIMは、送信するメールに電子署名を付け、受信側がDNSに公開された鍵でその署名を検証する仕組みです。

そのドメインの持ち主が本当に送ったメールかどうかを、受信サーバーが確かめられるようになります。

注意したいのは、管理画面でDKIMを有効にしただけでは、実際の配信メールが正しく署名されているとは限らない点です。

配信サービスに認証状態のチェック機能があれば、まずそこを確認しましょう。

Google Workspaceなら、別のGmailまたはGoogle Workspaceのアドレスへテストメールを送り、ヘッダーのAuthentication-ResultsでDKIMの結果を確かめられます。

送信の途中でフッターを付け足す中継サービスなど、メールの内容を書き換える仕組みを挟んでいる場合も確認しておきたいところです。署名したあとに内容が変わると、DKIMの検証がうまくいかなくなることがあります。

DMARCは認証結果とFromドメインを結びつける

DMARCは、SPFとDKIMの結果を、読者に見えるFromアドレスのドメインと照らし合わせて評価する仕組みです。

Fromのドメインと、SPFまたはDKIMで認証されたドメインが揃っていることをアラインメントと呼びます。

どちらの組み合わせでも合格しなかったメールを受信側がどう扱うか、ポリシーとして指定できるのも特徴です。

導入するときは、SPFとDKIMが通っていることを確かめたうえで、まずp=noneで様子を見るのが安全です。

認証の状況を把握してから、quarantineやrejectへ段階的に強めていきましょう。最初から厳しいポリシーにすると、把握していなかった正規の送信経路まで届かなくなるおそれがあります。

レポートを受け取れるのも、DMARCの便利なところですね。どの送信元が自分のドメインを名乗っているか、どの経路で認証に失敗しているかを探す手がかりになります。

専用のメールボックスを用意するか解析サービスを使うかも含め、受け取り方を先に決めておくと確認を続けやすいでしょう。

迷惑メールの原因を確認する順番

確認は影響範囲の把握から始め、配信ログ、認証、リスト、送信量の順に進めます。範囲とログを先に見ておけば、原因が技術面と運用面のどちらに寄っているか、ある程度の見当がつくからです。

いきなりDNSを触るより手戻りも少なく済みます。

1. どの宛先で何が起きたかを分ける

まずは問題の範囲を小さくしましょう。押さえておきたいのは、受信者のドメイン、送信日時、件名、使った送信元アドレス、そして迷惑メールフォルダに入ったのか拒否されたのか、という情報です。

一人だけで起きているなら、受信者側のフィルタや個別の設定も候補に入ります。Gmail宛てだけ、Yahoo宛てだけのように偏りがあるなら、その受信サービスの送信者要件と照らし合わせてください。

複数の受信サービスで同時に起きているときは、共通する送信ドメイン、配信サービス、リスト、直前の設定変更を優先して調べます。

「届かない」と聞いただけで原因を決めつけず、できれば迷惑メールフォルダの中、受信時刻、エラー通知の有無を受信者に確認してもらうと確実です。

その際も、調査に必要な範囲の情報だけを共有してもらうよう配慮しましょう。

2. 配信サービスのログとエラーを確認する

次に、配信サービスの管理画面で対象メールの状態を見ます。

送信済み、配信済み、遅延、拒否、バウンスといった表示名はサービスごとに異なるので、利用中のサービスのヘルプで意味を確かめておきましょう。

届かなかったメール、つまりバウンスは、多くの配信サービスでハードバウンスとソフトバウンスに分けて扱われます。

Mailchimpの場合、ハードバウンスには無効なアドレスなど恒久的に届かない原因が、ソフトバウンスにはメールボックスの容量超過や一時的な受信不可などが含まれます。

再送してよいのか、その宛先への送信を止めるべきかを判断する材料になる区別です。

SMTPのエラーコードや認証エラーが表示されていれば、その文字列をそのまま記録しておきます。

Gmail宛てなら、たとえば4.7.27や5.7.27はSPF、4.7.30や5.7.30はDKIMの認証失敗、4.7.32はFromと認証ドメインの不一致を示すコードです。

同じメールを繰り返し送り直すのは避け、エラーの意味を確かめてから必要に応じて配信サービスへ問い合わせてください。

3. SPFとDKIMの認証結果を確認する

SPFとDKIMは、「設定したはず」という記憶ではなく、問題が起きたメールの実際の結果で確かめます。

配信サービスの認証チェックに加えて、受信したテストメールの詳細ヘッダーも見ておくと確実です。Gmailなら「メッセージのソースを表示」から、SPFとDKIMの判定を確認できます。

SPFが失敗しているなら、そのメールを実際に送ったサービスが想定どおりかを確かめましょう。

DKIMが失敗しているなら、署名に使われたドメイン、DNSに登録した公開鍵、配信サービス側の有効化状態が確認ポイントです。

なお、個人用Gmail宛てに送るには1,024ビット以上のDKIM鍵が必要になります。

配信サービスを乗り換えた直後や、フォーム・予約システムを追加した直後は、送信経路の一覧と今のDNS設定が合っているかを見直してください。

既存のレコードを消して作り直すより先に、いまメールを送っている全サービスを洗い出すのが順番です。

4. DMARCのアラインメントとレポートを確認する

SPFやDKIMが通っていても、Fromのドメインと認証されたドメインが揃っていなければ、DMARCの判定で不合格になることがあります。

実際のメールヘッダーで、FromドメインとEnvelope-Senderのドメイン、またはDKIM署名のd=に書かれたドメインが、アラインメントの条件を満たしているか確認しましょう。

配信サービスによっては、初期設定のままだとDKIM署名がサービス側のドメインで行われていることがあります。

その場合は、独自ドメインで署名できる設定が用意されているかを、サービスのヘルプで探してみてください。

DMARCレポートを受け取っているなら、正規の送信元が認証を通過しているか、心当たりのない送信元がないかを見ます。

まだ受け取っていない場合は、DNS事業者や配信サービスが案内している設定方法を確認するところから始めるとよいでしょう。

DMARCのポリシー変更は、メルマガだけでなく、同じドメインを使う普段のメールや各種通知にも影響します。送信元を洗い出せていない段階で厳しいポリシーへ切り替えるのは避け、管理者や配信サービスに相談してください。

5. 配信許可・解除・無効アドレスを見直す

認証が通っていても、受信を望んでいない人へ送り続ければ、迷惑メール報告は増えていきます。

受け取りたいと明確に希望した人だけに送り、登録時にアドレスを確認し、読まれていない宛先は配信停止も検討する。

GmailやYahooの送信者向けガイドラインでも、共通して示されている考え方です。

リストを見直すときは、次の点をチェックしてみましょう。

  • 登録者がどの画面で何に同意したか説明できるか
  • 登録時に伝えた内容と、実際の配信内容・頻度が合っているか
  • 配信停止の手段が分かりやすく、きちんと機能しているか
  • ハードバウンスや繰り返すエラーを放置していないか
  • 長く反応のない登録者の扱いを決めているか

古い名簿や出どころの分からないリストを取り込むと、未達や苦情が増える原因になります。

過去にバウンスした宛先や配信停止済みの宛先を再び読み込んでしまうこともあるので、インポート前に中身を確認しておくのがおすすめです。

なお、「反応がない」の判断には開封率が使われがちですが、Gmail側では開封率を追跡しておらず、配信サービスが示す開封率も迷惑メール判定の正確な目安になるとは限りません。

クリックや返信など、ほかの反応もあわせて判断すると安心です。

6. 送信量と送信元評価を確認する

Gmailは、すべての送信者に迷惑メール率を0.3%未満に保つよう求めています。ただし0.3%は超えてはいけない上限で、想定どおりに届けるための目安は0.1%未満です。

対象ドメインのデータが表示される条件を満たしていれば、Google Postmaster Toolsで迷惑メール率や評価を確認できます。

Gmailの要件は、送信件数によっても変わります。個人用Gmail宛てに24時間以内で5,000件近く、またはそれ以上を送ると「一括送信者」とみなされ、条件が一段厳しくなる仕組みです。

件数は同じプライマリドメイン単位で数えられ、一度該当すると以後もずっと一括送信者として扱われます。

項目すべての送信者一括送信者
送信ドメイン認証SPFまたはDKIMSPFとDKIMの両方、加えてDMARC(p=noneでも可)
Fromドメインとの整合必須ではないSPFまたはDKIMのどちらかでアラインメントが必要
迷惑メール率0.3%未満0.3%未満
ワンクリックでの登録解除必須ではないマーケティング目的のメールや配信登録されたメールで必要

Gmailは2025年11月から、要件を満たさないメールへの措置を強めています。

条件を満たしていない送信元のメールは、一時的または恒久的に拒否されることもあるため、小規模な配信でも「すべての送信者」の要件は満たしておきましょう。

送信数が少ないからといって、何も確認しなくてよいわけではありません。

久しぶりの配信で一度に大量に送った、登録経路の違うリストをまとめた、配信サービスを変えた、といった変化がなかったか振り返ってみてください。

送信量は急に増やさず、少ない量から段階的に増やしながら、迷惑メール率や評価を見ていくのが基本です。

共有IPを使う配信サービスでは、同じIPを使う他の送信者の行動も評価全体に影響します。

自分だけでは判断しにくい部分なので、認証とリスト運用に問題が見つからなければ、対象日時とエラー情報を添えて配信サービスに問い合わせるのが近道でしょう。

小規模なメルマガ運用で決めておきたいルール

問題が起きてから送信経路を探すと、どうしても時間がかかります。

普段から、業務メール、メルマガ、問い合わせフォーム、予約通知といった用途ごとに、送信経路を一覧にしておきましょう。

送信経路一覧に入れておきたい項目
  • 用途(業務メール、メルマガ、フォーム通知、予約通知など)
  • 送信元アドレス
  • 利用しているサービス
  • 担当者
  • 認証設定の手順が載っている公式ページ

定期的に見るのは、認証の状態、バウンス、迷惑メール報告、配信停止、長く反応のない宛先です。毎回すべてを手作業で調べる必要はありません。

配信サービスのレポートや通知を活用し、異常が出たときに詳しく確認する形が現実的です。

DNSや配信設定を変えたときは、変更日時、理由、対象サービス、確認結果を残しておきます。元の状態に戻せるよう、変更前の値も控えておくと安心ですね。

一人で運用していても、この記録は数か月後に別のサービスを追加するときの確認材料になります。

自分で直さず配信サービスや管理者へ相談したいケース

次のような状況では、ネットの情報を頼りに推測でDNSを変更するより、配信サービス、DNS事業者、メール管理者に相談した方が安全です。

  • 同じドメインを複数のメールサービスで使っていて、送信元を把握しきれていない
  • SPFやDKIMのエラーが続くのに、どのサービスの設定か特定できない
  • DMARCレポートに心当たりのない送信元が多い
  • DMARCポリシーを厳しくすると、普段のメールや通知に影響しそう
  • 配信ログでは成功しているのに、複数の受信サービスで届かない
  • 送信元IPやドメインの評価に関する警告が出ている

問い合わせるときは、対象日時、送信元アドレス、受信先のドメイン、配信ID、エラーコード、直前に行った変更をまとめておくと話が早く進みます。

受信者のメール本文や個人情報は必要以上に渡さず、調査に必要な情報だけに絞りましょう。

改善しないときは配信停止より送信経路の整理から考える

なかなか解決しなくても、すぐにメルマガをやめたり、別サービスへ全面的に移ったりする必要があるとは限りません。

業務通知と販促メールで送信元アドレスを分ける、登録経路ごとに配信許可を確認し直す、反応のない宛先を見直すなど、影響範囲を絞った改善から試してみましょう。

配信サービスを変えるなら、移行先の認証設定、独自ドメインへの対応、バウンス処理、配信停止、レポート機能を事前に確認しておきます。

サービスを変えても、同意の取り方や古いリストの問題が残っていれば、同じ状況を繰り返すことになりかねません。

重要なお知らせを確実に届けたい場合は、メルマガだけに頼らない工夫も必要です。

会員ページ、Webサイト、LINE公式アカウントなど別の接点を組み合わせ、媒体ごとに受け取り方と停止方法を分かりやすくしておくとよいでしょう。

まとめ

メルマガが迷惑メールに入る原因は、SPF・DKIM・DMARCだけでは判断できません。

影響範囲と配信ログを確認し、認証結果、Fromドメインとの整合、配信許可、無効アドレス、迷惑メール率、送信量へと順に進めれば、原因を切り分けやすくなります。

最初に用意したいのは、難しいDNS設定の一覧ではなく、「どのサービスが、どのドメインから、何のメールを送っているか」という送信経路の地図です。

その地図と実際のエラーを突き合わせ、自分で判断できないDNSの変更は配信サービスや管理者に相談してください。

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この記事を書いた人

サイト「インターネットビジネスの世界」運営者。ビジネスプロデューサー、著述業。メルマガやブログを書きながら、好きなことをしてのんびりと生きています。

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