GeminiのGemsとは?仕事別の指示を保存して使う方法

GeminiのGemsとは?仕事別の指示を保存して使う方法
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「初心者向けの言葉で」「箇条書きで」「分からない数字は断定しないで」。Geminiを仕事で使っていると、同じ前提を毎回打ち直していませんか。

Gemsは、こうした指示を仕事ごとに保存しておける機能です。一度作ってしまえば、次からは呼び出して素材を渡すだけで済みます。

作成の手順から指示の書き方、資料の追加、共有したときに相手へ見える範囲まで順に整理しました。

目次

Gemsは用途別の指示を保存できる機能

Gemini AppsのGemsは、目的ごとに指示をまとめて保存し、必要なときに呼び出せる機能です。Gemには名前と指示を設定でき、参照させたい資料があれば「Knowledge」としてファイルも追加できます。

通常のチャットとの違いは、前提を毎回書かなくて済むところにあります。

作業のたびに長い指示を貼り直していると、条件がひとつ抜けたり、出力の形が回ごとに変わったりしがちです。役割を決めたGemを用意しておけば、そのばらつきが減ります。

例えば、次のような役割で分けて保存できます。

  • 打ち合わせメモから決定事項と次の行動を整理するGem
  • 商品説明文を決めた項目順で下書きするGem
  • お客様向けの案内文をやわらかい語調へ整えるGem
  • 長い資料から確認事項だけを抜き出すGem
  • 投稿案を作る前に事実と意見を分けるGem

Gemsは回答の正しさを保証する仕組みではありません。保存した指示に沿って回答を組み立てやすくするための機能です。数値、料金、法律の判断、顧客への約束、公開前の文章は、Gemを通した後も人間が確認します。

最初に選ぶのは繰り返している仕事ひとつ

何でもこなせるGemを最初から目指すより、毎週または毎月繰り返している仕事をひとつ選ぶ方が、結果を調整しやすくなります。

たとえば「仕事を手伝うGem」。依頼の範囲が広すぎて、結果がぶれても原因をたどれません。

「打ち合わせメモを、決定事項・担当者・期限・未決事項の4項目へ整理するGem」なら、渡す入力と欲しい出力がはっきりします。期待とずれたときも、どの指示を直せばよいか見当がつくでしょう。

万能なGemを作ろうとせず、役割をひとつに狭めたGemから始める。これが遠回りに見えて近道です。

最初のGemに向いているのは、次の条件に当てはまる仕事です。

  • 似た作業を繰り返している
  • 出力の項目や順番を決められる
  • 結果を人間が短時間で確認できる
  • 機密情報を入力しなくても試せる
  • 間違ってもすぐ外部へ送信されない

反対に、回答をそのまま顧客へ送る仕事、最新の料金や規約だけで判断が決まる仕事、個人情報を多く扱う仕事は、最初の練習台に向きません。

まずはダミー情報や公開情報で試して、指示と確認手順を固めましょう。

Gemを作る前に決めておく4つのこと

作成画面を開く前に、紙かメモアプリで「入力」「作業」「出力」「人間の確認」を書き出しておくと迷いません。ここが曖昧なまま長い指示を書いても、使いにくいGemになりがちです。

入力

Gemへ何を渡すのかを決めます。打ち合わせメモ、文章の下書き、公開済みの商品情報など、対象を具体的にしておきましょう。

顧客名、メールアドレス、未公開の売上、契約内容などが含まれるなら、そのまま入れる前に、匿名化や要約でしのげないか検討します。

作業

してほしいことを動詞で書きます。

「整理する」「比較する」「抜き出す」「質問を作る」のように、1つか2つへ絞るのがポイントです。「考えていい感じにする」では、人とAIの期待がずれがちです。

出力

見出し、箇条書き、表、文字量など、確認しやすい形を決めます。

毎回必要な項目があるなら、項目名と順番まで書いておきます。空欄を勝手に埋めず「未確認」と表示させるルールも入れておくと安心です。

人間の確認

どの項目を人が確かめるのかを先に決めます。固有名詞、日付、金額、引用、リンク、公開範囲あたりが候補でしょう。

「AIが作った後で確認する」で止めず、確認項目まで具体化しておくと、日々の運用へ組み込みやすくなります。

GeminiでGemを作成する手順

Gemの作成はGeminiのWebアプリから行います。画面名や配置は変わることがあるため、実際の日本語UIと突き合わせながら進めてください。

New Gemを開いて指示を書く

基本の流れは5段階です。

STEP
Gemsを開く

パソコンで gemini.google.com へアクセスし、Googleアカウントでログインしてください。サイドバーから「Gems」を開きます。

STEP
新しいGemに名前を付ける

「New Gem」を選び、Gemの名前を入力します。数が増えてくると探しにくくなるので、後から見て用途が分かる名前を付けておきましょう。

STEP
実行してほしい内容を書く

指示欄に、してほしい作業を書きます。役割、作業、前提、出力形式を分けて書くと、後から直す場所も見つけやすくなります。

STEP
必要ならKnowledgeへ資料を追加する

毎回参照させたい資料があるときだけ追加してください。なくても作成は進められます。

STEP
内容を確認して保存する

プレビューで動きを見てから保存しましょう。

Webアプリで作ったGemは、Geminiのモバイルアプリと、Google Workspace内のGeminiサイドパネルにも表示されます。

使える場所や表示のされ方はアカウント環境で変わる可能性があるため、実際に業務で使うアカウントで確かめておきましょう。

プレビューしてから保存する

作成画面の右側では、プロンプトを入力してGemの反応を試せます。ここでは、実際に使いそうな入力を2〜3種類ぶつけてみてください。

  • 必要な情報がそろっている入力
  • 一部の情報が欠けている入力
  • 指示の対象外になる入力

見たいのは、情報が足りないときに質問を返すのか、推測で埋めてしまうのかという違いです。

なお、プレビューを試しただけではGemは保存されません。調整が終わったら「Save」を実行してください。

作成したGemを呼び出して使う

保存したGemは、サイドバーの「My Gems」から選び、通常のチャットと同じように質問や素材を入力すれば使えます。

ひとつだけ制限があります。本記事の確認時点では、Gemini LiveでGemsを利用できません。

音声でリアルタイムに使う前提で運用を考えているなら、現在の対応状況を先に確認してください。

伝わりやすい指示の書き方

GoogleのGems作成ガイドでは、指示を考える主な観点としてPersona、Task、Context、Formatの4つが挙げられています。

すべてを埋める必要はありませんが、役割と作業だけでなく前提と出力形式まで書いておくと、後から調整しやすくなります。

Persona

どのような役割で、どのような姿勢で答えるか

Task

何を行うか

Context

読者、目的、前提、使ってよい情報

Format

見出し、項目、長さ、並び順

小規模事業者向けの指示例

打ち合わせメモを整理するGemなら、次のように書けます。

# 役割
小規模事業の打ち合わせ記録を整理するアシスタントとして回答してください。

# 作業
入力されたメモから、決定事項、次の行動、担当者、期限、未決事項を抽出してください。

# 前提
入力に書かれていない担当者や期限を推測しないでください。
不明な項目は「未確認」と表示してください。
個人名は入力時の表記を維持してください。

# 出力形式
1. 決定事項
2. 次の行動(担当者・期限)
3. 未決事項
4. 次回確認する質問
の順で、箇条書きにしてください。

この例では、何をすべきかだけでなく、何を推測してはいけないかまで書いています。空欄を埋めさせない指定があると、後の確認が楽になります。

実際に使うときは、入力するメモから個人情報や機密情報を減らせないかを先に見ておきましょう。

指示の自動書き換えは確認してから保存する

作成画面には、短い説明をもとに詳しい指示へ展開してくれる「Use Gemini to re-write instructions」があります。

便利な反面、自動で長くなった指示が自分の意図と一致しているとは限りません。保存の前に、次の点を見直します。

  • 元の依頼にない役割が追加されていないか
  • 出力項目が増えすぎていないか
  • 不明な情報を推測させる指示になっていないか
  • 使ってはいけない情報源を前提にしていないか
  • 語調や文字量が実際の用途に合っているか

Googleのガイドでも、生成された指示をレビューして編集してから保存する流れが案内されています。

長い指示を保存すること自体が目的ではありません。結果を確認しやすくするために、必要な条件だけを残しましょう。

Knowledgeに資料を追加する方法

Gemには、参照させたい資料をKnowledgeとして追加できます。

方法は3つで、端末からのアップロード、Google Driveからの追加、NotebookLMノートブックの追加です。Gemに前提となる文脈を持たせたいときや、会話の中で特定の文書を参照させたいときに役立つでしょう。

端末から入れるなら「Upload files」、Driveから入れるなら「Add from Drive」を選んでください。

Driveのファイルを追加するには、Keep Activityが有効で、Google WorkspaceとGemini Appsが接続されている必要があります。

Driveから追加したファイルは常に最新版が使われるため、Drive側で資料を直せばGemの参照内容も切り替わります。

  • Gemの目的に必要な資料だけか
  • 古い料金表や終了したサービス案内が混ざっていないか
  • 顧客情報、契約書、未公開情報が含まれていないか
  • 共有する可能性があるGemへ入れてよい資料か
  • 回答に資料の引用元を表示したいか

引用の表示は「Disable knowledge citations」で無効にできます。Knowledgeのファイルと、Gemのチャットで追加したファイルの両方が対象です。

ただ、確認作業を重視するなら、どの資料をもとにした回答なのかを追える状態にしておく方が扱いやすいでしょう。

Gemsを共有するときの注意点

Gemsは他の人へ共有できます。

ここで見落としやすいのが、共有されるのは回答画面だけではないという点です。Gemへアクセスできる利用者は、Gemの指示とアップロード済みファイルも閲覧できます。

共有する前に、指示欄とKnowledgeの両方を見直しましょう。指示欄へ社内ルールや顧客名を書いていると、回答に出てこなくても相手には見えます。

  • 指示欄に書いた社内ルールや取引先名
  • 個人情報を含むKnowledgeファイル
  • 非公開ページのURL
  • 未公開の価格表や契約条件

ViewerとEditorを使い分ける

アクセスレベルは2種類です。Viewerは共有されたGemを使い、指示とアップロード済みファイルを閲覧できます。Editorはそれに加えて、共有、指示やファイルの変更、Gemの削除まで行えます。

使ってもらうだけなら、最初から編集権限を渡す必要はありません。共同で管理する場合も、誰が変更できて、変更後に誰がテストするのかを決めておきましょう。

Editorによる変更は、そのままGeminiの回答内容へ影響します。

公開範囲を広げる前に機密情報を外す

共有範囲には、Private、特定の利用者、組織内などがあり、選べる範囲は個人・仕事・学校のどのGoogleアカウントを使うかで変わります。

PublicやAnyone with the linkという選択肢もあります。ただし仕事・学校アカウントでは表示されない場合もあるため、実際の共有画面で確かめてください。

広い範囲へ共有するときは、リンクを知っている人しか見ないという思い込みを外しておきましょう。PublicはGoogle検索からアクセスできる設定として案内されています。

公開を目的としない仕事用のGemはPrivateを基本にして、必要な人へ最小限の権限を渡す形が管理しやすいでしょう。

共有できない場合の確認点

共有が進まない場合、主な原因は2つです。Knowledgeに共有非対応のファイル形式が含まれているか、組織の管理者がGemの共有を無効にしているかのどちらかにあたります。

NotebookLMノートブックは、共有Gemのソースとしては使えません。また、アップロード済みファイルがあるGemを共有するには、そのファイル自体を共有する権限も必要です。

何度も作り直す前に、ファイル形式、ファイルの共有権限、Workspace管理者の設定を順に確認してみてください。

共有されたGemsとアップロード済みファイルは、Google Driveの新しいフォルダに保存されます。共有を運用へ乗せるなら、Gemini Apps側だけでなくDriveのアクセス権も見ておきましょう。

編集・削除と運用の見直し

作成したGemは、My Gemsから選んで指示やKnowledgeを編集できます。不要になったGemは、対象のオプションから削除できます。

仕事で使うGemは、一度作って終わりにしない方が安全です。月に1回、または業務ルールが変わったタイミングで棚卸ししておきましょう。

定期的に見直す項目
  • 指示に古い商品名や受付時間が残っていないか
  • Knowledgeに旧版の資料が残っていないか
  • 出力項目が現在の業務に合っているか
  • 共有相手と編集権限が適切か
  • Gemが作った結果を誰が確認するか決まっているか

なお、Googleの利用規約や生成AIの禁止用途ポリシーに反する可能性が検知された場合、Gemini Apps側でGemが削除されることがあります。

業務利用でも、Gemの目的と入力内容が利用条件に沿っているか確かめておきましょう。

Gemsが向いている人・向かない人

同じ種類の入力を、同じ観点や形式で繰り返し整理したい人にGemsは向いています。毎回の前提説明を減らし、確認項目まで出力へ組み込みたい場面と相性がよいでしょう。

  • 議事メモを決まった項目へ整理したい
  • 文章のチェック項目を毎回同じ形で出したい
  • 公開情報からFAQの下書きを作りたい
  • 出力の正しさを人間が短時間で確認できる
  • 案件ごとに判断基準が大きく変わる仕事
  • 正解が最新の法律・契約・料金に左右される仕事
  • 機密情報を大量に入力しないと成立しない業務

向かない側の仕事では、保存した指示だけに頼れません。とくに機密情報を扱う業務は、アカウントのデータ取扱いや組織のルールを確認してから判断します。

導入するかどうかは、入力の手間が減るかだけでなく、指示の更新と出力確認を続けられるかで決まります。

代替手段との使い分け

短い定型文で足りるなら、メモアプリやテキスト展開ツールにプロンプトを保存するだけでも十分です。

誰が見ても同じ手順で進める必要があるなら、AIへの指示とは別に、業務マニュアルやチェックリストも人が読める形で残しておきます。

やりたいこと向いている手段
短い定型文を貼るだけメモアプリ、テキスト展開ツール
同じ観点で繰り返し整理するGemini AppsのGems
資料の出典を追いながら調べるNotebookLMなどソース中心のサービス
人が手順どおりに作業する業務マニュアル、チェックリスト

案件ごとに参照資料が大きく変わる場合は、1つのGemへ資料を詰め込まない方法もあります。Gemには共通の確認手順だけを持たせて、必要な資料はその都度会話へ足す形です。

そのうえで、Gemを業務ルールの唯一の保存場所にはしない方が安全です。共有したGemは編集権限を持つ人が変更も削除もできるため、重要な手順は人が読める文書でも管理しておきましょう。

まとめ

  • Gemは名前、指示、必要に応じたKnowledgeを保存して繰り返し使う
  • 指示はPersona、Task、Context、Formatを手がかりに書く
  • 何を入力し、何を出力し、どこを人が確認するかを先に決める
  • 共有すると、指示とアップロード済みファイルも相手に見える

最初の1件は、「打ち合わせメモを決めた4項目へ整理する」のように、結果をすぐ確認できる仕事から選んでみてください。

プレビューで、情報が足りないときに推測で埋めないかを試し、保存後も実際の入力に合わせて少しずつ直していきます。

Knowledgeや共有まで使うなら、指示とファイルが相手に見えること、Editorが変更や削除を行えることを前提に権限を決めます。

まずは機密情報を含まないPrivateなGemで試しながら、目的、確認担当、見直し時期まで決めてから日常業務へ広げると、無理なく運用できるでしょう。

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この記事を書いた人

サイト「インターネットビジネスの世界」運営者。ビジネスプロデューサー、著述業。メルマガやブログを書きながら、好きなことをしてのんびりと生きています。

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