VS Codeを使い続けていると、Web制作用のフォーマッター、執筆用のMarkdown表示、学習中に試した言語拡張などが1つの環境に同居しがちです。
用途ごとに切り替えたいけれど、設定を壊しそうで手を付けにくいですよね。VS CodeのProfilesを使えば、いまの環境をそのまま残したうえで、用途別の設定と拡張機能を分けて切り替えられます。
この記事では、安全に始める手順と運用の注意点をまとめました。
VS Codeを複数用途で使うと設定が混ざりやすい
VS Codeを長く使っていると、拡張機能や設定は少しずつ増えていきます。
Web制作ではフォーマッターやブラウザー連携が欲しく、文章を書くときはMarkdown向けの表示にしたい。学習中だけ別の言語拡張を試したい、ということもあるでしょう。
すべてを1つの環境へ足していくと、どの拡張機能が何のために入っているのか分からなくなってきます。
作業に関係ない通知や補完候補が出たり、検証のために変えた設定を元に戻せなくなったりするのもよくある話です。
Profilesは、設定や拡張機能、キーボードショートカットなどの組み合わせを1つのプロファイルとして管理し、切り替えて使う機能です。作業内容に合わせてVS Codeの環境を分けたいときに向いています。
最初は既存環境を残して用途別プロファイルを1つ作る
初めてProfilesを使うなら、いまの環境を一から整理し直す必要はありません。VS Codeは現在の構成をDefault Profileとして扱います。
それを残したまま「執筆用」や「Web制作用」など、用途がはっきりしたプロファイルを1つ足すのが分かりやすい進め方です。
新しいプロファイルの作り方は3通りあります。
既存プロファイルの内容をコピーする、用意されたテンプレートから作る、ユーザー独自の設定を含まないEmpty Profileから始める、のいずれかです。
普段の環境を土台に少しだけ変えたいならコピー、必要なものだけを選び直したいならEmpty Profileが候補になります。
作成後は、いま有効なプロファイルを確認してから設定変更や拡張機能の追加を行いましょう。
変更は現在有効なプロファイルへ保存されるため、どの環境を編集しているかを意識することが混乱を防ぐポイントです。
VS Code Profilesで分けられるもの
Profilesは、VS Codeのカスタマイズをひとまとまりにして、素早く切り替えたり共有したりする仕組みです。
公式ドキュメントによると、新しいプロファイルへ含める構成は、設定、キーボードショートカット、MCPサーバー、スニペット、タスク、拡張機能などから選べます。
現在使っている設定や拡張機能、画面レイアウトの変更はDefault Profileで管理されています。
別のプロファイルを有効にした状態で拡張機能を追加・削除・無効化したり、設定や画面配置を変えたりすると、その変更は有効なプロファイル側へ保存される仕組みです。
つまり、Profilesは単にテーマ色を切り替えるための機能ではありません。作業別に持たせられる違いは、たとえば次のとおりです。
- 使用する拡張機能
- フォントサイズや配色などの設定
- キーボードショートカット
- スニペットやタスク
- サイドバーなどの画面レイアウト
とはいえ、すべてを完全に別管理にする必要はないんです。
新しいプロファイルへ含めなかった構成はDefault Profileのものが使われますし、特定の設定や拡張機能を全プロファイルへ適用する操作も用意されています。
仕事別プロファイルを作成する手順
作成はProfiles editorという専用画面から行うのが基本です。
開いてから作成までは数分で済みますが、途中で「何をコピー元にするか」「どの構成を含めるか」を選ぶ場面があります。そこだけ先に決めておくとスムーズです。
Profiles editorを開く
公式ドキュメントでは、Profiles editorを開く入口として次の2つが案内されています。
- メニューの「File」→「Preferences」→「Profiles」を選ぶ
- Activity Bar下部のManage(歯車)からProfilesを開く
Profiles editorでは、プロファイルの作成、切り替え、編集、削除、書き出しをまとめて扱えます。なお、日本語化の状態やバージョンによって、ラベルの表記が本記事と異なるかもしれません。
コピー元と含める項目を選ぶ
Profiles editorで「New Profile」を選び、名前とアイコンを決めます。続いて、どの状態から作るかを選択。土台にできるのは次の3つです。
- Profile Template
-
用途別に用意された構成を土台にする。
- 既存のプロファイル
-
現在の環境に近い構成をコピーする。
- Empty Profile
-
ユーザー独自の設定、拡張機能、スニペットなどを含まない状態から始める。
現在の環境をほぼ保ったまま、執筆用だけ一部の拡張機能を無効にしたい場合は、既存プロファイルのコピーが取り組みやすいでしょう。既存環境の影響を受けずに検証したいならEmpty Profileが向いています。
作成時には、設定、キーボードショートカット、MCPサーバー、スニペット、タスク、拡張機能のうち、含める構成を絞れます。
たとえばキーボードショートカットはプロファイル固有にせず、Default Profileと共通で使う構成も可能です。
Previewで確認して作成する
作成前に「Preview」を選ぶと、新しいプロファイルを適用した別ウィンドウが開き、内容を確認できます。
いまの作業環境に影響を与えずに、必要な拡張機能や画面構成になっているかを見たうえで、「Create」で作成する流れです。
作成直後は、次の項目を一度見ておくと運用しやすくなります。
- 必要な拡張機能だけが有効になっているか
- 保存時のフォーマットなど、作業へ影響する設定が意図どおりか
- ターミナルやサイドバーの配置が使いやすいか
- 現在のプロファイル名やアイコンを画面上で確認できるか
最初から細かく作り込むより、実際の仕事で使いながら足りない設定だけ足していく方が、用途のまとまりを保ちやすいです。
プロファイルを切り替えて使う方法
プロファイルの切り替えは、Command Paletteの「Profiles: Switch Profile」から行えます。Profiles editorの「Use this Profile for Current Window」から、現在のウィンドウへ適用しても同じです。
もう1つ知っておきたいのがフォルダーとの関連付けです。プロファイルを作成または選択すると、そのとき開いているフォルダーやワークスペースと関連付けられます。
次に同じフォルダーを開くと、関連付けられたプロファイルが自動で有効になる仕組みです。別のフォルダーに別のプロファイルが設定されていれば、開く対象に応じて切り替わります。
この動きを使えば、クライアントサイトのフォルダーではWeb制作用、ブログ原稿のフォルダーでは執筆用、といった運用ができます。
切り替えを忘れにくい反面、仕組みを知らないと「設定が勝手に変わった」と感じるかもしれません。Profiles editorの「Folders & Workspaces」で関連付けを確認する習慣を付けておくと安心ですね。
新しいウィンドウを特定のプロファイルで開くことも可能です。複数の仕事を同時に開くなら、プロファイル名やアイコンを見分けやすいものにしておくと取り違えを減らせます。
用途別に分ける設計例
プロファイルは数を増やすこと自体が目的ではありません。
必要な拡張機能や設定が明確に違うかを基準に分けるのがポイントです。個人事業主やフリーランスなら、次の3種類から必要なものだけ作る形が現実的でしょう。
Web制作用
HTML・CSS・JavaScriptの編集、フォーマット、ローカル確認に必要な構成へ絞るのが基本です。
案件ごとに変わる設定は、プロファイルではなくワークスペース側の設定に持たせた方が分かりやすい場合もあります。
執筆用
Markdownの確認や文章チェックに必要な拡張機能を中心にし、開発時だけ使う表示は減らしておきましょう。
フォントサイズ、行の折り返し、サイドバーの配置を文章作業に合わせておくと、同じVS Codeでも頭を切り替えやすくなります。
検証・トラブル切り分け用
Empty Profileはユーザー独自の拡張機能や変更済み設定を含みません。そのため、問題が拡張機能や設定に由来するのか、VS Code本体に由来するのかを切り分ける用途にも使えます。
普段の環境で不具合が起きたとき、いきなり拡張機能を削除する前に、空の環境で再現するかを確かめられるわけです。
この3つをすべて用意する必要はありません。まず、いちばん混在が気になる用途だけを分け、効果を確かめてから増やす方が管理しやすいです。
共通設定・同期・書き出しの注意点
プロファイルを増やすと、「これは全部の環境で使いたい」「これは別の端末にも持っていきたい」という場面が出てきます。
ここでは、共通化、同期、書き出しの3つについて、つまずきやすい点を整理しておきましょう。
共通にしたい設定と拡張機能を分ける
設定エディターには「Apply Setting to all Profiles」という操作があります。拡張機能ビューにも同様に「Apply Extension to all Profiles」が用意されています。
どの用途でも使う設定や拡張機能は全プロファイルへ適用し、作業固有のものだけを分けると、同じ変更を何度も繰り返さずに済むのが利点です。
何でも共通化するとProfilesを使う意味が薄れますし、反対にすべてを個別管理すると手間が増えるばかりです。「全作業で必要か」「その用途だけで必要か」の2択で判断すると整理しやすいでしょう。
Settings Syncとリモート環境を同じものと考えない
Settings Syncを有効にし、同期対象でProfilesを選ぶと、複数の端末で同じプロファイルを使えます。複数のMacやPCで用途別の構成をそろえたい場合に便利です。
ただし、公式ドキュメントには、SSH、Dev Container、WSLなどのリモートウィンドウとの間では拡張機能が同期されないという注記があります。
ローカル端末同士の同期と、リモート開発先での拡張機能管理は別物として考えてください。リモート環境を使う人は、接続先で必要な拡張機能が有効かを別途確認する必要があります。
Exportする前に共有範囲を確認する
プロファイルはGitHub gistまたはローカルファイルへ書き出せます。
ローカルに保存する場合の拡張子は「.code-profile」です。Importでは、GitHub gistのURLまたはプロファイルファイルを指定し、内容を確認・変更してから取り込めます。
GitHub gistへ保存した場合、公式ドキュメントではSecretとして扱われ、リンクを知っている人なら閲覧できると説明されています。
Secretはパスワード保護された非公開ファイルという意味ではありません。
共有用リンクを渡す前に、書き出す内容に次のような情報が含まれていないか確認しましょう。
- 案件名や顧客名を含む設定・スニペット
- 社内URLや個別のサーバー情報
- 外部に見せたくない拡張機能の構成
Profilesが向いている人・向かない人
Profilesが向いているのは、同じVS Codeを複数の用途で使い、用途ごとに拡張機能や設定がはっきり違う人です。複数のフォルダーを行き来し、開く仕事に合わせて環境も切り替えたい人にも合います。
次のような人は、まず1つだけ試す価値があります。
- Web制作と文章執筆で必要な拡張機能が異なる
- 学習用の設定を仕事用環境へ混ぜたくない
- 拡張機能を一時的に減らして問題を切り分けたい
- 複数端末へ用途別の構成を移したい
一方、設定や拡張機能が少なく、用途による違いもほとんどないなら、プロファイルを複数作っても切り替え先の管理が増えるだけかもしれません。
フォルダー単位の差が数個の設定だけなら、ワークスペース設定で十分な場合もあります。

Profilesを使わない代替手段
Profilesが合わないと感じたら、問題の範囲に合わせて、もっと小さな方法を選べます。
| やりたいこと | 方法 |
|---|---|
| フォルダー固有の設定だけ変えたい | ワークスペース設定を使う |
| 一時的に拡張機能の影響を確かめたい | 対象の拡張機能を無効化する |
| まっさらな状態で原因を切り分けたい | Empty Profileを使う |
| 別端末へ同じ構成を移したい | Settings SyncまたはProfileのExportを検討する |
Profilesとワークスペース設定は、どちらか一方を選ぶものではありません。
用途全体の環境はProfiles、案件やフォルダー固有の設定はワークスペース、というように役割を分ける考え方もできます。
まとめ
VS Code Profilesを使うと、設定、拡張機能、ショートカット、画面構成を用途別に分けて切り替えられます。
最初から細かく分類するより、いまのDefault Profileを残したまま、いちばん違いが大きい用途だけ新しいプロファイルを作るのがおすすめです。
作成後は、現在有効なプロファイルと、フォルダーとの関連付けを確認する習慣を付けましょう。共通で使うものと用途固有のものを分ければ、プロファイルの数を増やしすぎずに運用できます。
同期や書き出しを使うときは、リモート環境の拡張機能が別管理であることと、共有ファイルに不要な情報が含まれていないことを確認してください。


