目の前に山のような仕事があって、どこから手をつけていいか分からない。
そんな経験、ありませんか?
「この企画書を来週までに」
「新規事業を立ち上げて」
「売上を2倍にして」
こんな大きな仕事を目の前にすると、誰だって圧倒されてしまいますよね。
でも実は、仕事の重さって錯覚なんです。どんなに大きな仕事でも、分解した瞬間に軽くなります。
これ、料理と同じなんですよね。
「今日の夕飯はカレーを作ろう」
これだけだとなんだか面倒に感じます。
でも、こう分解してみたらどうでしょう。
- 野菜を切る(10分)
- 肉を炒める(5分)
- 野菜を炒める(5分)
- 水を入れて煮込む(20分)
- ルーを入れる(3分)
急に簡単に見えてきませんか?
仕事も全く同じです。例えば「企画書を作る」という仕事。これだけだと重たく感じます。
でも、分解してみると、
- 現状分析をまとめる
- 課題を3つ書き出す
- 解決策を考える
- スケジュールを作る
- 予算を計算する
- パワーポイントに落とし込む
こうなると、一つ一つはそんなに難しくないことが分かります。
私の知り合いのWebデザイナーは、この分解術の達人です。「ホームページを作って」という依頼が来たら、まず100個くらいのタスクに分解するそうです。
- ワイヤーフレームを描く
- トップページのラフを作る
- ロゴの位置を決める
- 配色を3パターン作る
- フォントを選ぶ...
こうやって細かく分解することで、「今日はこの5つをやろう」と明確に決められるんだそうです。
結果、納期に遅れたことは一度もないと言っていました。
分解することのメリットは他にもあります。まず、進捗が見えやすくなること。
100個のタスクのうち30個終われば、「30%完了した」と分かります。
でも分解していないと、「なんとなく進んでいる気がする」くらいしか分からない。
これってモチベーションに大きく影響するんです。
マラソンでも同じですよね。42.195kmを一気に走ると思うと気が重いけど、「まず5km地点まで」と考えれば走れます。
そして5km走ったら、「次は10km地点まで」と。こうやって分解することで、完走できるんです。
二つ目のメリットは、スキマ時間を活用できることです。
大きな仕事のままだと、「まとまった時間がないとできない」と思ってしまいます。でも分解すれば、「この作業なら15分でできる」というものが見つかります。
電車の移動時間、昼休みの残り時間、会議までの空き時間。こういうスキマ時間を活用できるようになって、結果的に仕事が速くなるんです。
三つ目のメリットは、完璧主義から解放されることです。
大きな仕事を前にすると、「完璧にやらなきゃ」とプレッシャーを感じます。でも分解すれば、「まずはこの部分だけ終わらせよう」と気楽に取り組めます。
そして一つ終わるごとに達成感があって、次も頑張ろうという気持ちになれる。実は、仕事ができる人ほどこの分解術を使っています。
プロジェクトマネージャーはWBSという手法で仕事を分解します。プログラマーは機能を細かく分けて実装します。
建築家は設計を段階的に進めます。みんな、大きな仕事を小さく分解しているんです。
でも、分解のやり方にもコツがあります。
まず、動詞で書くこと。
「企画」じゃなくて「企画書を書く」
「調査」じゃなくて「競合3社を調べる」
次に、時間を見積もること。
「資料作成(2時間)」
「メール返信(30分)」
そして、優先順位をつけること。
緊急度と重要度で分けて、どれから手をつけるか決める。
これだけで、仕事の見通しがガラッと変わります。「こんな大きな仕事、無理だ」そう思った時こそ、分解のチャンスです。
紙とペンを用意して、思いつくままに書き出してみてください。最初は10個くらいしか出てこないかもしれません。
でも、それをさらに分解してみる。すると20個、30個と増えていきます。
そして気がつけば、「あれ?これならできそう」と思えるようになっているはずです。
仕事の重さは錯覚です。分解すれば必ず軽くなります。大きな岩も、ハンマーで叩けば砕けます。
仕事も同じ。分解という名のハンマーで叩いてみてください。
それでは。