前回の記事でTypelessのセキュリティ懸念を少しネガティブにまとめましたが、最近公式Webサイト内に新しいメニュー項目「信用センター」(Trust Center)が追加されました。
これまで「運営の不透明性」が最大の懸念点の一つだっただけに、この変化は少しポジティブに捉えられる兆しだと思います。
今日はその点を追記する形で、続編的なまとめ記事を書いておきます。自分用の記録として残しておきたいので、以前のポイントを踏まえつつ、最新の動きに焦点を当てます。
前回の振り返り(主な懸念点のおさらい)
前回まとめたTypelessのセキュリティ懸念の核心は以下の通りでした。
- 100%クラウド処理(音声+コンテキストデータがAWSサーバーへ送信)
- アクセシビリティ権限の過剰要求 → 画面テキスト、クリップボード、キーボード監視などキーロガー級の収集可能性
- データがローカルDBに平文保存されるケース
- 運営企業の透明性不足(法人名・所在地詳細なし、監査情報なし)
- X上で「スパイウェアに近い」「即アンインストール」などの厳しい意見が多数
これらが2026年2月頃に急増し、多くのユーザーが代替ツールへ移行した状況でした。

新しく追加された「信用センター」(Trust Center)とは?

アプリのメニューに新しく現れた「信用センター」(日本語表示時は「信用センター」、英語でTrust Center)は、専用ページ https://trust.typeless.com/ で公開されているセキュリティ情報の一元化ページです。
これは多くのSaaS企業が採用している標準的な形式で、セキュリティ対策・プライバシー保護・コンプライアンス状況を透明に開示するためのものです。
主な内容は、
- SOC 2 Type IIレポート、ISO 27001認証、HIPAAコンプライアンスドキュメントへのアクセス(ただし現状は「In Progress」表示が多い)
- 123項目以上のセキュリティコントロール一覧(アクセス制御、データ暗号化、インシデント対応、従業員トレーニング、第三者管理など)
- データの休止時・転送時暗号化
- 顧客データ削除ポリシー(契約終了後削除)
- 脆弱性スキャン、ログ監視、事業継続計画など
- サブプロセッサリストやデータ保護ポリシーの参照
- セキュリティアンケートを直接チームに提出できるフォーム(hello@typeless.com)
これまで公式サイトやプライバシーポリシーでは抽象的な記述しかなかった部分が、具体的なコントロール項目としてリストアップされている点が大きな変化です。

透明性を高めようとしている姿勢を感じる点
以前はこのような専用ページ自体が存在せず、X上での指摘に対して公式からの明確な対応が見えにくい状況でした。
それが今回、Trust Centerを新しく公開したということは、運営側がユーザー(特に企業ユーザーやセキュリティ意識の高い個人)の懸念を認識し、透明性を積極的に向上させようとしている兆しだと捉えられます。
- メニューに新しく追加された → ユーザーが簡単にアクセスできるように配慮
- コンプライアンス項目(GDPR、SOC 2 Type II、HIPAAなど)を「In Progress」と明記 → 隠さず現状を公開
- セキュリティコントロールを詳細にリスト → 「何をやっているか」を可視化
これらは、以前の「不透明すぎる」という批判に対する明確な一歩だと思います。少なくとも「無視しているわけではない」というメッセージは伝わってきます。
ただし、まだ完全には安心できない点
一方で、現時点では以下の点が「進行中(In Progress)」のままです:
- SOC 2 Type II、GDPR、HIPAAなどの主要コンプライアンス認証 → 取得済みではなく進行中
- 以前のリバースエンジニアリングで指摘されたアクセシビリティ権限の過剰使用やコンテキストデータ収集については、このページでも直接触れられていない(または明確に制限・否定されていない)
- 運営企業の詳細情報(法人名、代表者、詳細所在地など)は依然として薄い
つまり、姿勢は前向きになったが、証明書や認証の取得が完了していないため、現時点で「完全に信頼できる」とまでは言えない状況です。
Trust Centerは「これから本格的に対策を進めています」という宣言のような位置づけです。
自分用の今後のスタンス(メモ)
- Trust Centerの公開はポジティブな変化 → 定期的にページをチェックして、In Progress項目がCompletedになるか監視
- 機密情報入力時は引き続き避ける(コンテキスト収集リスクが解消されていない)
- 軽いメモや非機密用途なら、様子見ながら使ってみてもいいかも
- 公式から認証取得の報告やポリシー変更があれば、また追記しよう
Typelessの利便性は本当に高いので、不透明感がクリアになってくれれば最高なんですが…。
このTrust Centerが本物の進歩の始まりになることを期待しつつ、引き続き注意深く見守ります。状況が変わったらまた更新します!

