史上最大のIPOに、日本の個人投資家が公開価格で参加できる。そんな話が現実になりました。
イーロン・マスク氏が率いるSpaceXが、2026年6月にNasdaqへ上場します。調達額は最大750億ドル、これまでの記録を3倍以上も上回る規模です。
気になっているのは、たぶん「日本から買えるのか」「そもそも買って大丈夫なのか」あたりではないですか。私も最初は見出しだけ眺めて、自分には縁のない話だと思っていたんですよね。
調べてみると、SBI証券・楽天証券・みずほ証券の3社を通じて、上場前の公開価格で抽選に申し込めるとわかりました。
この記事では、上場の規模感から日本での買い方、そして見落としやすいリスクまでを一通り整理します。
750億ドル調達、史上最大規模のIPO
今回のIPOで一番のインパクトは、その規模にあります。
SpaceXは1株135ドルで約5億5,560万株を売り出し、約750億ドルを調達する計画。日本円でおよそ11兆円という、けた違いの数字です。
上場予定日は6月12日、ティッカーシンボルは「SPCX」です。機関投資家向けの説明会(ロードショー)は6月4日ごろに始まり、価格の確定は早ければ6月11日と報じられています。
ただし、このスケジュールは状況によって前後する可能性があるので、その点は頭に入れておいてください。
おもしろいのが、値段の決め方です。ふつうのIPOは、ロードショーで投資家の反応を見ながら価格を固めていきます。ところがSpaceXは、説明会の前に1株135ドルと先に提示しました。
いわば「この値段で欲しい人だけどうぞ」という、かなり強気のやり方なんですよね。
もう一つの特徴が、売り出す株式が全体の5%にも満たない点にあります。発行済み株式のごく一部しか市場に出さないため、あえて品薄をつくり出しているという見方も出ています。
需要が集中すれば初値は跳ねやすく、その分だけ値動きも荒くなりがちです。
Starlinkで稼ぎ、AIに賭ける会社
数字を判断する前に、SpaceXがどこで稼いでいるかを知っておくと話が早くなります。売上の柱は衛星インターネットの「Starlink」。2025年の売上高は約187億ドルで、この部門はしっかり利益を出しています。
ところが会社全体では、2025年に約49億ドルの純損失を計上しました。前の年は約7.9億ドルの黒字だったので、一気に赤字へ転じています。
背景にあるのは、2026年2月に統合したAI企業「xAI」への投資と、宇宙船「Starship」の開発にかかる巨額の資金です。
赤字そのものは、急成長する企業にはよくある話です。問題は、その赤字が「未来への投資」としてちゃんと報われるのかどうか。
SpaceXの評価額は、火星移住や宇宙空間のAIデータセンターといった、まだ存在しない市場を前提に積み上げられています。夢は大きい反面、いまの利益だけでは説明しきれない水準でしょう。
日本から公開価格で買う3つのルート
ここが多くの人にとっての本題ではないでしょうか。これまで米国の大型IPOは、日本の個人投資家にとって上場後に初値で買うのが当たり前でした。
今回はSBI証券・楽天証券・みずほ証券の3社を通じて、上場前の公開価格で抽選に申し込めます。
- SBI証券
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米ドル決済で、外国株式取引口座の事前開設が必要です。NISAの成長投資枠でも買い付けできます。
- 楽天証券
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円貨決済に対応しています。ブックビルディング(需要申告)で抽選に参加でき、こちらもNISAの成長投資枠の対象です。
- みずほ証券
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引受人として名を連ねていますが、個人投資家向けの具体的な案内はこの記事を書いている時点で公表されていません。
実際に申し込むまでの流れも、見ておくと動きやすくなります。米国株のIPOは1株単位で申し込めるので、国内IPOよりも少額から参加できるのが特徴です。
申込にはこの口座が欠かせません。ロードショー開始の1週間前までにはすませておくと安心です。
SBI証券は米ドル、楽天証券は日本円での決済です。どちらを選ぶかで、用意するお金の種類が変わってきます。
需要申告の受付期間に、買いたい株数を入力して申し込みます。期間は短いので、告知を見逃さないようにしてください。
当選すれば公開価格で取得できます。外れても、上場後に通常の米国株として買う道は残っているんですよね。
気をつけたいのは、当選のハードルの高さです。人気のIPOでは当選率が1〜5%程度といわれ、今回も簡単には当たらないと見ておくのが現実的だと思います。
3社すべてに申し込めば当選のチャンスは増えますが、その分だけ口座開設の手間もかかります。
強気の声と、冷めた声
ネット上の反応は、きれいに二つへ割れています。強気派が注目するのは、Starlinkの成長力とマスク氏の実行力。「長期で持てば化ける」と、宇宙とAIというテーマに期待を寄せる声が目立ちます。
一方で、慎重な見方も根強く残っています。よく指摘されるのが、評価額の高さです。本来の価値はIPO評価額の半分ほどだと試算するアナリストもいて、売上に対する株価の倍率がバブル級だという声も聞こえてきます。
低floatで初値が人工的に吊り上がり、そのあと反落するのではという懸念も小さくありません。
もう一つ覚えておきたいのが、議決権の構造です。マスク氏が議決権の85%超を握るため、一般の株主が経営に口を出せる余地はほとんどない仕組みになっています。
株を持っても、会社の方向性を左右する力はほぼないと考えておいたほうが無難です。
私自身、この価格をどう受け止めるかはずっと迷っています。夢のある会社だという気持ちと、いまの数字では割高に映るという冷静な目が、自分の中でせめぎ合っているんですよね。
同じように揺れている方も、きっと少なくないはずです。
申し込む前に押さえておきたいこと
参加を考えているなら、これだけは先に頭へ入れておいてください。大型IPOと付き合うときの、いちばん基本になる心構えです。
上場直後は値動きが荒れやすいため、参加するなら必ず余裕資金で、ポジションは小さく。これが大型IPOと向き合う基本です。
理由はシンプルです。低floatの銘柄は、初値が跳ねたあとに大きく下げる場面も珍しくありません。だからこそ慎重派のあいだでは「上場後の下落を待ってから買う」という戦略も語られています。
仮に抽選へ外れても、上場後に証券会社で普通に買う道は残っているので、焦る必要はないんですよね。
念のためお伝えすると、ここで書いているのは個人としての整理であって、投資をすすめるものではありません。
私は投資の専門家でもアドバイザーでもないので、最終的な判断はご自身で、最新の情報を各証券会社やSECの開示資料で確かめたうえで決めてください。
- 抽選に外れたら、もう買えないのでしょうか
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いいえ。上場後はNasdaqで、通常の米国株と同じように売買できます。moomoo証券のように、上場後の取扱いやキャンペーンを予告している会社もあるんですよね。
- NISAの対象になりますか
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SBI証券・楽天証券は、どちらもNISAの成長投資枠で買い付けできるとしています。非課税のメリットを生かしたい方は、申込のときに枠を確認しておくと安心です。
まとめ
SpaceXのIPOは、史上最大の規模でありながら、日本から公開価格で参加できる珍しい機会です。その一方で、評価額の高さや上場直後の荒い値動きには、相応のリスクがついて回ります。
気になっているなら、まずは外国株式口座を準備しつつ、余裕資金の範囲で参加するかどうかを落ち着いて決めるのがおすすめです。
※本記事は特定の金融商品の購入や売却を推奨するものではなく、投資アドバイスを目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任において行い、必要に応じて専門家にご相談ください。本記事の情報に基づく投資によって生じた損失について、当方は一切の責任を負いません。
