2022年から2024年12月末までの間、100万円をビットコイン(BTC)と米国株(S&P 500指数)にそれぞれ投資した場合、どちらのパフォーマンスが良かったのでしょうか?
さらに、日本における所得税を加味すると結果はどう変わるのでしょうか?
この記事では、税金の影響を考慮した場合としない場合の両方を比較し、詳しく解説していきます。
Contents
税金を「加味しない」場合の比較
BTCのパフォーマンス
- 初期価格(2022年1月1日): 約5,988,701円
- 最終価格(2024年12月31日): 約14,893,522円
- 上昇率: 約148.7%
100万円をBTCに投資した場合、
- 投資元本:1,000,000円
- 最終価値:2,487,000円
- 利益:1,487,000円
S&P 500のパフォーマンス
- 2022年: -19.4%
- 2023年: +24.2%
- 2024年: +23.3%
複利で計算すると、
- 総合上昇率: 約23.4%
100万円をS&P 500に投資した場合、
- 投資元本:1,000,000円
- 最終価値:1,234,000円
- 利益:234,000円
税金を考慮しない場合の結果まとめ
投資対象 | 初期資産 | 最終資産 | 利益 | 上昇率 |
---|---|---|---|---|
BTC | 1,000,000円 | 2,487,000円 | 1,487,000円 | 148.7% |
S&P 500 | 1,000,000円 | 1,234,000円 | 234,000円 | 23.4% |
税金を考慮しない場合、BTC投資のパフォーマンスが圧倒的に優れていることが分かります。
税金を「加味した」場合の比較
日本では、BTCとS&P 500の投資利益に対する課税方法が異なります。
BTC(雑所得として総合課税)
- 課税対象: 1,487,000円(利益)
- 税率: 所得税(累進課税最大45%)+ 住民税(10%)
- 合計税率(高所得者の場合): 約55%
税額:
- 1,487,000円 × 55% = 818,850円
税引き後利益:
- 1,487,000円 – 818,850円 = 668,150円
税引き後の資産:
- 1,000,000円(元本)+ 668,150円 = 1,668,150円
S&P 500(分離課税)
- 課税対象: 234,000円(利益)
- 税率: 一律20.315%
税額:
- 234,000円 × 20.315% = 47,536円
税引き後利益:
- 234,000円 – 47,536円 = 186,464円
税引き後の資産:
- 1,000,000円(元本)+ 186,464円 = 1,186,464円
税金を加味した結果まとめ
投資対象 | 初期資産 | 税引き後資産 | 税引き後利益 | 実質上昇率 |
---|---|---|---|---|
BTC | 1,000,000円 | 1,668,150円 | 668,150円 | 66.8% |
S&P 500 | 1,000,000円 | 1,186,464円 | 186,464円 | 18.6% |
税金を加味すると、BTCの利益が大幅に減少するものの、それでもS&P 500を上回る結果となります。
BTC投資とS&P 500投資の特徴
BTC投資のメリット・デメリット
- メリット:
- 高い成長率を期待できる。
- 短期間で大きな利益を得られる可能性。
- デメリット:
- 価格変動が大きくリスクが高い。
- 日本では雑所得として累進課税が適用され、高所得者ほど税負担が重い。
S&P 500投資のメリット・デメリット
- メリット:
- 安定した成長が期待できる。
- 税率が一律20.315%と低い。
- デメリット:
- 暗号資産のような急成長は期待しにくい。
どちらを選ぶべきか?
投資対象の選択は、リスク許容度や税金の影響をどれだけ考慮するかによります。
- 短期間で高いリターンを狙う: BTC投資が有利。ただし、価格変動や税金負担を考慮する必要があります。
- 安定した成長を求める: S&P 500投資が適しています。低い税率で効率的な資産運用が可能です。
結論
2022年から2024年末にかけての期間では、税金を加味した場合でもBTCの方がS&P 500を上回るリターンを得られる結果となりました。
しかし、BTCは価格変動が非常に大きく、必ずしも安定した投資対象ではありません。一方で、S&P 500は安定性と税制上の優遇があるため、長期的な資産形成に適した選択肢といえます。
投資を始める際には、リスクとリターンを十分に理解し、自分に合った投資戦略を立てることが重要です。